初診相談でレントゲン撮影が必要かどうかの見解

 
患者様各位 平素より当院をご利用いただきありがとうございます。
 
先日、非常に考えさせられる事例がございましたのでご報告申し上げます。先日お越しいただいた矯正相談の患者様から、当院は初診相談が不親切であるとのご指摘を受けました。なぜかと申しますと、当院の前に相談した某医院様では、相談の前に無料でレントゲンを撮影してくれたのに、当院ではレントゲンを撮らずに大体の予想を話すのは不親切ではないのかと言うご指摘です。
これには二つの意味で非常にショックを受けました。一つは初診相談に入る前に無料でレントゲンを撮ってしまう医院が実際あるのかと言う驚きと、もう一つはそれを親切と考える患者様がいらっしゃるという驚きです。これははたして本当に親切でしょうか?? その点に関しては大きな誤解があるように思いました。
 
レントゲンというのは侵襲的検査(微量とはいえ放射線を浴びます)の一つですから、どの医院でもそういうやり方をしますと、何カ所か相談に行くと短期間に相当な放射線を浴びることになってしまいます。写真をもらえば問題ないだろうと思うかもしれませんが、よそで撮った写真は参考にはしますが、正式な検査はどこの医院でも、自分の医院の規格で撮影するので結局似たようなレントゲンを複数撮ることになってしまいます。
 
矯正の熟練した専門家は、実は見ただけでほとんど診断がついています。検査はそれで正しいかどうかの裏付けを取る意味と、見ただけではわからない細かい点の確認をするために必要なわけです。レントゲンを見ないと(あるいはレントゲン写真をコンピュータにかけないと)内容のある初診相談ができないということはありません。無料でレントゲンを撮るというのは、契約を早く決めるためのパフォーマンスとも考えられます。
当院では、相談と検査の間にはそう簡単にはまたぎ越せない敷居があると考えております。検査に進む前には、冷静にご判断いただくための十分な時間が必要です。その代わり、初診相談では、25年の矯正歯科医としての経験と知識を集約して、できる限り最終の診断結果に近いお話しができるように努力しておりますので、ああかもしれないこうかもしれない雨のち曇り時々晴れ的な、結局どうなんですかみたいなお話しはしておりません。
 
患者様本位の運営方針が正しく評価されないというのは、当院にとっては非常に残念なことですが、今ご説明したような理由で、当院の矯正初診相談ではレントゲンや歯形はお取りいたしません。ただし、初診相談とはいえほぼ結論に近い予想診断をした上で、費用もかなり絞り込んで具体的にお話しさせていただきます。その上で、本当にするかしないか、するとすればどの先生に任せるかという比較検討をしていただいた後、私が治療を担当させていただけるようでしたら、正式にレントゲンも含めた検査をするという運びになります。
 
患者様各位におかれましては、何卒ご理解を賜りますようお願い申し上げます。